
愛愛犬に穀物はNG?グレインフリーのウソとホントなのかどうかを解説していきます。
愛犬を飼っている人からすると気になる項目だと思いますので参考にしてください。
きっと良い情報が見つかるはずです。
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グレインフリーという言葉を聞いたことがあまりないという人も多いでしょう。グレインフリーとは、英語ではgrain freeと書きます。ここでのfreeはアルコールフリーなどと同じ「使用されていない」という意味合いで用いられています。一方、grainはどういう意味かというと、「穀物・穀類」を指す単語です。つまり、グレインフリーとは「穀物が使用されていない」という意味合いの言葉です。
一口に穀物と言っても、その種類は非常に多くなっています。いわゆる米などのイネ・小麦や大麦などのムギ類・トウモロコシの3種は、世界三大穀物と呼ばれており、多くの地域で主食として食べられています。この他、キビ・アワ・ヒエといったいわゆる雑穀や、ダイズやアズキのような豆類、ソバの実など、多種多様な穀物が人の手で栽培されています。
穀物の利用方法は、主に食用・加工用・飼料用に分けられます。穀物を食べるには、米のように穀物の粒をそのまま食べる場合と、小麦のようにいったん粉状に挽いたものを加工して食べる場合があります。また、収穫した穀物から食べられる部分を取り出す脱穀・精白という作業がありますが、精白によって取り除かれる部分には栄養素が多く含まれているため、精白を行わない場合もあります。たとえば、玄米は精白を行う前の米ですが、ビタミンや食物繊維などが精白された白米よりも多く含まれています。
穀物を加工して造られる食品として代表的なものが、お酒です。ビールは大麦を原料としていますし、日本酒は米を発酵させて造ります。この他にも、米酢のような調味料を作るために穀物が利用されることがあります。穀物は栄養価が高く、家畜に与える飼料としても重要な役割を果たしてきました。特にトウモロコシの飼料としての需要は高く、トウモロコシの消費量のうち64%が飼料として使われています。
最近では、穀物を燃料として活用する研究も進んでいます。穀物から作られた酒、エタノールをアルコール燃料として利用するのです。たとえば、いずれ枯渇すると言われている石油の代わりに、穀物由来の燃料で走る自動車の開発などが行われています。
穀物にはさまざまな種類があり、いろいろな場面で活用されています。その活用法の一つが、ペットフードです。従来、ドッグフードなどのペット用食品には、トウモロコシや小麦などの穀物が多く使われてきました。
しかし、ドッグフードに穀物を使用することについては、最近異論が出ています。それは、「犬の健康のためには穀物を食べさせるべきではない」というものです。そのような意見の背景には、犬という種の成り立ちが関わっています。犬の祖先はオオカミです。オオカミというのは肉食動物です。肉食動物は肉しか食べず、穀物を消化することができません。オオカミの子孫である犬も肉食動物であり、本来肉しか食べられないので穀物を消化できず、穀物入りのドッグフードを食べさせるのは健康に悪い、というわけです。
また、犬の肥満という観点から穀物入りドッグフードに反対する人たちもいます。穀物には多くのデンプンが含まれていますが、デンプンは消化されることで糖になります。人間でも、糖質を摂りすぎることによる健康への悪影響が叫ばれており、糖質制限ダイエットというダイエット方法も盛んに行われています。同様に、犬が穀物をとりすぎると肥満につながるのではないか、とも言われているのです。
そこで、グレインフリーのドッグフードが注目されはじめました。犬にとって本来不要である穀物を使っていないため、犬の健康や肥満防止につながるとされています。今では、高級志向のドッグフードを中心に、グレインフリーをうたった商品が多く出回っています。
しかし、グレインフリーが必ずしも犬の健康にいいとは言い切れません。むしろ、適切な方法で穀物を摂取したほうがいいとも考えられます。
まず第一に、犬とオオカミの食べるものは厳密には同じではありません。犬の祖先が人間とともに暮らすようになったのは、1万年以上前からだと言われています。人間の側で暮らすようになると、野生の時のように獲物の肉ばかり食べるのではなく、人間が分け与える、デンプンを多く含む食べ物を食べるようになります。デンプンを消化する能力には個体差がありますが、そのうちデンプンをうまく消化できる個体だけが人間のもとで生き残り、何世代もの子孫を残していきました。結果として、犬はオオカミとは別の進化をたどり、完全な肉食動物ではなく雑食動物になったのです。
そして、ここに「犬は穀物を消化できない」という意見の肝があります。人の食べ物を食べられるようになった犬ですが、人が生の穀物を消化しづらいのと同様に、「生の穀物は」消化できません。しかし、逆に言うと「生でない穀物」は消化できるのです。
穀物に含まれるデンプンは、加熱すると「アルファ化」という状態になり、体内の消化酵素の働きで分解されやすくなります。人間も犬も、アルファ化されたデンプンを分解するための消化酵素を持っているため、加熱されていれば穀物を消化吸収することができるのです。そして、市販されているドッグフードは、製造過程で加熱されているので、そこに含まれているデンプンもアルファ化され、犬も消化できるものになっています。
したがって、穀物を使用しているドッグフードだからと言って、犬の健康に悪いというわけではありません。むしろ、良質なタンパク質がとれる雑穀類などが使われている場合は、逆に健康維持につながるとも言えます。極端に食べるものを偏らせるのではなく、多くの種類の良質な食材をバランスよく使ったフードこそが、ペットのためになります